500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

高槻 泰郎 著 『大坂堂島米市場 -江戸幕府vs市場経済- 』(文春新書 2018年7月20日 第一刷発行)

金融デリバティブの発祥はオーサカ・ジャパン。しかも江戸時代に市場確立。すごいぞニッポン。あっぱれ大阪(当時「大坂」)、さすが商人の町!

 

・・今ではそう称賛される堂島米市場(以下、米市場)だが、その実態は意外と知られておらず、イメージ先行の感すらある。

 

本書は、米市場を伝説から引きずり下ろすかのように、残存している当時の資料を基に、丹念に米市場のリアルに迫る。

 

しかし、読み終わっての感想は「やっぱり米市場スゲー」。

 

確かに、現在の信用取引と違い、もともとは証券(米切手)の現受け無しであったそうな。

 

それだと、投機・賭博性が強くなりそうだ。しかし、最終的には例外的に現受けを認める方向にブラッシュアップ。

 

さらには、各地に堂島の価格を伝達する飛脚や手旗信号のネットワークも、ローテクとは思えないパフォを叩きだす。

 

欲得が絡むと、人間は頭をひねり、物事が加速度的に進化することが良くわかる。民間パワーだね。

 

民間市場の進化に眉を顰め、戸惑いつつも、最終的には利用してしまう幕府の姿勢も面白い。

 

また、幕府の強権に、無視や面従腹背で対抗する大阪商人も、さすがだ。

 

人間や世間てのは、今も昔もあまり変わらない気がするな。

 

(498文字! 白川前日銀総裁が帯に推薦文を書いているよ。)