500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

津本 陽  著 『深淵の色は 佐川幸義伝』(実業之日本社 2018年10月20日 第1刷発行)

珍しく武道系の本。

 

私は過去、多少格闘技方面をかじった経験がある。もう卒業(いや、頓挫)したが、今でも格闘技、あるいは武道関連本に遭遇すると、かすかに血がうずいたりする。

 

まあ、せいぜい本を買って読むだけなんだけどね。

 

で、本書は、剣豪小説で有名な、津本陽氏の筆による、大東流合気柔術の伝説の大家、佐川幸義氏の晩年を描いたエッセイである。

 

腕をつかんだだけで、相手を硬直・脱力させ、投げ飛ばしてしまう人・・らしい。

 

正直、信じがたい。私は「怪力乱神」な武術には冷笑の目を向ける側だ。

 

ただ、本書に書かれている通り、武道・格闘技の方面で名を成した有名団体の代表や、体育系の大学教授などが大挙して入門しているところ見ると、なにかあるような気もする。

 

生前のご本人は「不思議なものではない。技術だ」と述べておられる。

 

いや、かえって不思議だ。一度投げられてみたいぞ。

 

なお、津本氏には同テーマの前著「孤塁の名人」がある。武道ものとしては、そちらのほうが読みやすいかな。

 

一方、本書では佐川氏にまつわる人間模様が、散文的につづられている。比類なき名人の晩年の生活や悩みも語られ、「孤塁」より文学的な味わいがあるといえようか。

 

(498文字! 年齢関係なしの武道。興味はあれど、入門したいとは思わないんだよなあ。ほとんどの修行者はなかなか合気の境地にたどり着けない・・らしいし。)

 

 

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