500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

笹山 敬輔 著 『興行師列伝』(新潮新書 2020年1月20日 発行)

「愛と裏切りの近代芸能史」というサブタイトルが付されているとおり、明治~昭和の時代を代表する「興行師」5人を取り上げている。

 

・森田勘谷(歌舞伎)

 

大谷竹次郎(歌舞伎 松竹)

 

吉本興業(お笑い 吉本興業

 

永田雅一(映画 大映

 

小林一三(宝塚・映画 東宝

 

 

それぞれの時代の、エンタメ業界のアントレプレナーたち。

今でこそ、ドラマや演劇の主人公として、つまり一種の「時代のヒーロー・ヒロイン」として取り上げられることも多いそうそうたる面々だ。

 

しかし、フィクションの世界の人物像は、あくまで一面的。

 

なにぶん、悪く言えば虚業だし、裏社会ともかかわりの深い世界(特に永田の若いころなどは、チンピラヤクザそのもの)。

 

興業・作品ごとに、あたりハズレも大きい。また、時代(戦時中)の制約も受ける。ビジネスと捉えると極めて不安定。

 

そんな世界で名を成す者、いずれも一筋縄ではいかない。

 

清濁気にせず、ライバルを出し抜き、はめ込み、今でいう敵対的M&Aを仕掛け、しかし時には手を結び・・そういった「ヒール」な側面もしっかり描かれている。

 

今こうして活字で読むと、彼ら自身の強烈な人生が、そのままエンタメ作品的でもある。

 

(492文字! おそらく「一発当てる」快感を覚えると、興行師はやめられないのかもね。)