頭の良い人が書いた、思考法の本を読むのは好きだ。
ちょっとした異世界を覗くような楽しみがある。
読んだからと言って、わが空気頭が改善されるとはハナから思っておらず、あこがれの気持ちで読むといった感じだ。
著者の田坂氏のことは良く知らないが、著者紹介を見ると、そうそうたる経歴。絶対にずば抜けた頭脳の持ち主だ。
これは期待できそうだと読み進めたのだが・・あれ・・
「この宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」と呼ばれる場があり、この場に、この宇宙のすべての出来事の情報が記録されている」という仮説が語られ、天才的なひらめきは、そのゼロなんとかにつながることで得られるとの主張が語られる。
むむむ。
これは、あれだ。天外伺朗氏とか、船井幸雄氏とか、そっち系ぽいな。
かつて60~70年代に流行ったというカウンターカルチャー、精神世界ブームにニューエイジ思想。本書の著者も、自然とその影響下にあるのではないか、そんな気がした。
おそらく著者には、同傾向の固定ファンがいて、本書もそのファンに向けに書かれたものではないかナ。
私のような一般読者は、お門違いであった。
(485文字! 全般的にゼロなんとかが語られているわけではなく、最初の部分は一般向けの体をなしている。それだけに、読み進めて「え?」となる人も多かろう。)