プロの論客、というべき人たちが存在する。
本書の著者の佐高氏もそうだし、また本書が批判の対象としている佐藤優もそうだ。
世の中にあまた存在する思想・価値観の代弁者として、彼らは必要だ。
しかし、その一方で、私は彼らを「論壇という名のリングで闘うプロレスラー」と見ている。
観客を引き付ける演出に長け、年がら年中闘っている。
闘うこと自体がビジネスとなっている。
本書では、佐高氏が、かつてのタッグパートナー(2冊の共著あり)を、
「知識だけの、中身空っぽヤロー!」
と、のっけから怒涛の攻撃を見せる。
「おまえカルヴァン派とか言うとるやろ。それがなんで創価学会に媚び売りまくりやねん!」
おおっと、いきなりの急所攻撃!
ただし、佐藤批判のパートは、本書の1/3ほど。
次いで、著者の各種論評アンソロジーが1/3。
残りの3/1が「読書日記」と題された、ごく簡単な読書メモ、という構成となっている。
最後の読書メモはあまりに簡素で、商業出版のコンテンツになっている=需要があることが少々驚き。
佐高氏は「社民党系」の論客として知られる。
プロレスラーに例えれば、マイナー団体のスター。故に熱烈なファンを持つ・・そんな存在なのだろう。
(499文字! タイトルに商業的な狙いを感じる。私も書店でチラッと目にして、つい買ってしまった。)