500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

長沼伸一郎 『現代経済学の直観的方法』(講談社 2020年4月8日 第1刷発行)

私は学生時代、経済学を専攻していた。しかし、結局経済のことが良くわからぬまま卒業してしまった。

 

今はどうか知らぬが、当時受けた講義は「需要・供給曲線」にはじまり、経済を部分的に切り取りモデル化した解説が目立ち、聞いても「だから何?」としか思えなかった。

 

振り返り思うに、経済学を学ぶ意味合いを説き、経済全体の包括的な解説を担う授業があれば良かったと思う。

 

(昔は「マルクス経済学」が、ある種その役割を果たしていたのかもしれない。しかし私の学生時代には既に廃れており、そっち系の講義はなかった。)

 

そのため、本書を読み終えた時には「学生当時、こんな本があれば良かったのに」と思った。

 

まさに、私の受けた一連の講義に欠如していた、経済の包括的な解説が詰まっている。

 

GDPを超わかりやすい図解で説明し、経済の歴史や、貨幣論、貿易論等を、平易な言語で、誰でも理解できるように単純化して解説してくれる。

 

「単純化が過ぎる」と思えてしまう部分もなくはないが、その弱点を補って有り余る、万人向けのわかりやすさがある。

 

経済学の学びなおすに良書であるとともに、これから経済を学ぶという人にも入口の一冊として本当におすすめしたい。

 

(499文字! 書名や装丁がいかにも本格経済書風なのが惜しい。大型書店でも学術書の棚に置いてあった。中身はいたって一般向きなのに。もっと取っ付きやすい作りにすればいいのに・・と思う。)