500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

左巻 健男 『あなたもだまされている 陰謀論とニセ科学』(ワニブックスPLUS新書 2022年4月25日 初版発行)

Qアノン米議会襲撃事件がきっかけで、久方ぶりに陰謀論に興味を覚えた。

 

そこで前回取り上げた『陰謀論 民主主義を揺るがすメカニズム』を読み、次いで本書を手に取った次第。

 

ただし、本書は読んでみると薄味。

 

「アポロ疑惑」「ロズウェル事件」「フォックス姉妹」等、疑似科学やオカルト方面では古典的トピックの解説に大半のページが割かれている。

 

これらの種明かしは、多くの書籍で紹介されており、新味がない。

 

終盤でようやく最近問題となっている「疑似科学的な水ビジネス」やEM菌等を取り上げ、それらがいかに根拠がないかを科学的な見地から力説する。

 

しかし、それらは説明されるまでもなく、見るからに怪しげだ。

 

おそらく、こんなものに惹かれる人は、そういう「体質」なのだろう。いくら科学的に説明しても、聞く耳もたなかろう。

 

「理論・科学で陰謀論疑似科学を批判する」タイプの書籍数多く出版されてきた。しかしそれらを手に取るのは、元々陰謀論疑似科学に批判的な層に限られそうだ。

 

啓蒙活動として幅広い層にリーチするには、かつてベストセラーになった『トンデモ本の世界』のようにエンタメ色を強めるなど、別のアプローチが必要ではないか。

 

(495文字 陰謀論等に惹かれる大人への啓蒙は至難。本書のような書籍は、若年層が手に取るような工夫が必要ではないかと思う。)

 

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▼ 科学的批判書籍の古典 ハインズ博士シリーズ

 

▼ 「トンデモ」という言葉を一般化させた『トンデモ本の世界』(と学会 編)。エンタメ路線全開のスタイルは、啓蒙活動としてはかなり有効だったのではないか(もう絶版されてひさしいのね・・)。