以前読んだ、辻田氏の『「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史』が面白かったので、新著作を購入。
表題にある「あの戦争」とは、「太平洋戦争」もしくは、右派からは「大東亜戦争」、一部左派は「15年戦争」呼ばれる・・つまりは第二次世界大戦において、日本が直接関係した戦争のこと。
本書の前半では、なぜ人(=思想)によって戦争の呼び名が違ってくるのかを分析。それに関連して、戦争の範囲・期間の定義についての考察などが展開される。
また、国力が段違いの米国相手に、どう考えても必負の戦いを挑んだのかについての詳述もある。それらの章は興味深く読んだ。
彼我の国力の差は、一般的に知られていたというのが少々意外だ。
さて、後半では、「あの戦争」に関する海外各国の見解を調査するため、現地の歴史博物館を歴訪し、その説明文から様相を紐解く。
ただし、その手法については、博物館の一般向けに簡略化された説明文を、その国の公式見解と受け取って良いのか、という疑問が湧く。
本書略歴によると、著者は大学や教育・研究機関に属するわけではなく、あくまで個人の「評論家」「研究家」であるようだ。それゆえ、調査方法には限界があるのかもしれない。
(500文字! 最近は思想・イデオロギーを排した、事実に基づく近代日本の戦争史がトレンドらしい。本書もその一端だ。)
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