500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

2020-01-01から1年間の記事一覧

大木 毅 『「砂漠の狐」ロンメル  ヒトラーの将軍の栄光と悲惨 』(角川新書 2019年3月10日 初版発行)

しばらく前に、ブックオフで「史上最大の作戦」という本を購入。 名前だけは知っていた。かのノルマンディー上陸を描いた本だ。 読んでみると、当時、実際に兵士として作戦に加わった大勢の人物の証言を、山のように積み重ね、ノルマンディー上陸を活写した…

河野 啓 『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』(講談社e学芸単行本 2020年11月20日 発行)

最近、登山関連の本を立て続けに読んだ(★) 登山に本格的な関心があるわけではないが、独特の異世界を覗いてみたい好奇心から読んでみた次第。 すると、ある日、kindleのレコメンドに本書が表示された。 副題にある「栗城史多」という人のことは全く知らな…

中島 真志 『仮想通貨 vs. 中央銀行 「デジタル通貨」の次なる覇者』(新潮社 2020年6月20日 発行)

仮想通貨ブームさなかに出版され、好評を博した「アフター・ビットコイン」から早や3年。 「アフター・ビットコイン 2」と副題のついた続編(本書)が刊行された。 前作はとても良かったが、実を言うと、当初本書には食指がうごかなかった。 というのも、そ…

西田 亮介 『コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か』(朝日新聞出版社 2020年7月30日 第1刷発行)

新型コロナの発生から、その後の政府や医療関係機関の対応、そしてメディアの姿勢等を、現時点で総括した本である。 一般向けを意識して平易に書かれてはいるが、学術的な側面も強い。時系列的に様々なファクトを並べ、俯瞰的に関連性を考える。 明確でわか…

会社四季報編集部 『会社四季報 公式ガイドブック』(東洋経済新報社 2020年7月2日 第1刷発行)

完全に実用本位の解説書なので、本来であれば感想を書くようなタイプの本ではない。 しかし、内容がとても気に入ったので、取り上げてみることにした。 私は株が好きなので、当然ながら「会社四季報」の活用指南本の類は、これまでにも読んだことがある。 ま…

倉山 満 『保守とネトウヨの近現代史』(扶桑社新書 2020年10月1日 初版第1刷発行)

無縁の世界を覗くことができる。それは読書の楽しみの一つだ。 ネトウヨ・・私からは縁遠く「そういう人たちがいるのだな」という認識しかない。 そもそも、もっと大きな括りの「保守」からして、ひまひとつその考え方がわからない。 どういう理論体系なのか…

樋口 裕一 『頭のいい人の「説明」はたった10秒!』(青春新書 2020年8月25日 第1刷)

またもや「話し方」本を取り上げる。 やっぱり、私のような口ベタ、話しベタだと、様々な場面で損をする。 そのため、本書の副題「仕事も人生うまくいく」といったキャッチコピーを見せられると、つい購入してしまう。いいカモだ。 さて、本書では、まず第一…

伊藤 祐靖 『邦人奪還』(新潮社 2020年6月15日 発行)

帯には「自衛隊特殊部隊が動くとき」「現場のリアルがここにある!」とある。 さらには、石破茂、佐藤優、成毛眞という濃い面々の推薦コメントも。 そのわりには、妙にチープな表紙イラストが気にかかるが、興味を惹かれ、内容を見ずに購入。 読んでみると、…

デービッド アトキンソン 著 『日本企業の勝算 人材確保×生産性×企業成長』(東洋経済出版社 2020年4月9日 発行)

2019年にヒット作となった『日本人の勝算』の続編、というより補完編といえようか。 著者の主張は前作と全く同じ。「日本には小規模な企業が多すぎる。それが非効率化の元凶。効率・生産性を高め、世界に伍していくには、全般的に企業規模を大きくしないとい…

森永 康平 『MMTが日本を救う』 (宝島社新書 2020年6月24日 第1刷発行)

著者名を見た時にピンと来た。 著者紹介を見て、やっぱり! 森永卓郎氏のご子息とのことだ。 確かにモリタク理論とMMTは、相性が良さそうだw そんな興味本位で購入した次第だが、内容は意外と良かった。 タイトルからもわかる通り、本書は、コロナ禍への…

水谷 哲也 『新型コロナウイルス 脅威を制する正しい知識』 (東京化学同人 2020年5月19日 第1刷発行)

これまで当ブログでは、2冊の「新型コロナ対策本」を紹介してきた。 いずれも、感染症の専門医の著作だ。 次いで取り上げる本書は、医師ではなく、ウイルスの研究者による著作である。 学術書の専門出版社から出ている本なので、これまで紹介した2冊とは大…

佐藤 昭裕 『感染症専門医が普段やっている 感染症自衛マニュアル』(SBクリエイティブ 2020年7月17日 初版第一刷発行)

このところ書店棚に増殖中の「新型コロナ本」の数々。 しかし、それらの多くは、荒っぽく急造されたものに見える。恐怖を煽ったり、「免疫力アップでコロナ撃退」を謳ったり、怪しいものも見られる。 私は、その手の本は信用しない。 読むなら、感染症の専門…

岩田 健太郎 『新型コロナウイルスの真実』(ベスト新書 2020年4月20日 初版第1刷発行)

新型コロナウイルスについて知りたい。 しかし、書店で見かける本は「新型コロナの社会への影響」をテーマとしたものばかり。 感染症の専門家が一般向けに書いた本がほとんどない。そんな中、貴重な存在として本書を発見。 やはり著名な専門医による解説は、…

遠藤 誉 著『「中国製造2025」の衝撃 -習近平はいま何を目論んでいるのか- 』(PHP研究所 2019年1月11日 第1版第1刷発行)

中国が掲げる技術立国スローガン「中国製造2025」を中心に、かの国の世界戦略を詳細に解説した書籍・・そう書くと、「ああ、最近多い中国脅威本の類か」と思われるかもしれない。 しかし、本書は一味違う。 独特なのは著者の経歴。戦中に中国で生まれ育って…

石川 智久 多賀谷 克彦 関西近未来研究会 『大阪の逆襲』(文春新書 2020年6月15日 第1刷)

地域礼賛本の類かと思ったが、前書きに「関西の、関西による、関西のための」本ではないと書かれており、ちょい興味を惹かれ購入。 内容は、大阪万博やIR(統合型リゾート)、スーパーシティ構想への期待、そして人口減問題への関西なりの対策など。 なんだ…

田坂 広志 著 『直観を磨く 深く考える七つの技法』(講談社現代新書 2020年2月20日 初版第1刷発行)

頭の良い人が書いた、思考法の本を読むのは好きだ。 ちょっとした異世界を覗くような楽しみがある。 読んだからと言って、わが空気頭が改善されるとはハナから思っておらず、あこがれの気持ちで読むといった感じだ。 著者の田坂氏のことは良く知らないが、著…

齋藤 孝 安住 紳一郎 『話すチカラ』(ダイヤモンド社 2020年2月19日 第1刷発行)

帯の『こういう本は一生に一度は読まなきゃ! ビートたけし氏絶賛!』という大げさな煽り文句を見て、なんとなく手に取った。 パラパラ中身を見ると、コミュニケーション論の専門家と、その教え子の現役アナウンサーによる共著のようだ。 そのため、いわゆる…

喜瀬 雅則 著 『ホークス3軍はなぜ成功したのか』(文春新書 2020年4月30日 初版第1刷発行)

最近時々耳にする、プロ野球球団の「3軍」。 現在のところ一部の球団が導入するにとどまっており、その存在は謎めいている。 しかし、その中で存在感を示しているのがソフトバンクホークス。 千賀滉大や甲斐拓也をはじめ、育成契約で獲得した選手を、3軍を…

船橋 洋一 著 『地経学とは何か』(文春新書 2020年2月20日 第1刷発行)

紛らわしいが「地政学」ではない。「地経学」だ。 あまりなじみのない学問名だが、本書では「地政学的な目的のために経済を武器として使うこと」と地経学を定義している。 ふーむ。つまりは大国間の経済を主戦場としたパワーゲームの研究・考察ってことかナ…

ジョナサン ハスケル ・ スティアン ウェストレイク 著 『無形資産が経済を支配する』(東洋経済新報社 2020年1月30日 発行)

帯の「ビルゲイツ絶賛!」に惹かれて購入。 貸借対照表において、おなじみだが、やや影の薄い「無形資産」にスポットを当てた本だ。 現在の企業活動において、いかに無形資産が重要かを、ひたすら解説する。 その趣旨はわかる。 現在のグローバル企業の根幹…

荒木 博行 著 『世界「倒産」図鑑』(日経BP 2019年12月9日 第1版第1刷発行)

軽い経済モノのが読みたいな。 そう考えつつ本屋に入ったところ、ちょうど本書が入口付近の平棚に山積みされていた。 そのタイトル、いかにもユルげなカバーデザインを見て、ビビッと来た。そのまま購入。 期待にたがわず、サクサク読める。 ただし、内容は…

大前 研一 著 『日本の論点 2020~21』(株式会社プレジデント社 2019年11月15日 第一刷発行)

まず目に留まるのが、ぶっとい帯に大書きされた「アホな指導者の下でどう生き抜くか」というコピー。 トランプ大統領への非難だろう。 「新自由主義者」大前研一にとっては、自国主義、保守主義、保護貿易主義の権化のようなトランプは「アホ」以外の何物で…

手島 龍一 佐藤 優 『日韓激突 -「トランプ・ドミノ」が誘発する世界危機 - 』(中公新書ラクレ 2019年12月15日 初版)

インテリジェンスコンビによる対談シリーズ。好評らしく、年末刊行が恒例となりつつある。 タイトルこそ日韓関係論を思わせるものだが、時事ネタの継続シリーズなので、ワンテーマ本というわけではない。 第一章こそ日韓論だが、以降は中韓論、中東問題、日…

笹山 敬輔 著 『興行師列伝』(新潮新書 2020年1月20日 発行)

「愛と裏切りの近代芸能史」というサブタイトルが付されているとおり、明治~昭和の時代を代表する「興行師」5人を取り上げている。 ・森田勘谷(歌舞伎) ・大谷竹次郎(歌舞伎 松竹) ・吉本興業(お笑い 吉本興業) ・永田雅一(映画 大映) ・小林一三(…

川田 利明 著 『開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える 「してはいけない」逆説ビジネス学』(株式会社ワニブックス 2019年10月10日 初版発行)

元プロレスラーがビジネス本? 「ベンツ3台を売り払ってわかった"俺だけの教訓"」という帯コピーも気になり、書店で手に取った。 読んでみると、内容はたしかに飲食店経営本だ。 とはいえ、一般的な店舗経営の指南本ではない。 引退後にラーメン店を経営して…

L ランダル レイ 著 『MMT 現代貨幣理論入門』(東洋経済新報社 2019年9月12 発行)

昨年後半から話題沸騰のMMT。 なんでも「政府債務を無制限に許容する異端経済学」とか。なんだそりゃ? 当然というべきか、批判の声も多い。 そうなると、逆に気になる。 そして、出版されたのが本書。 帯には「第一人者によるバイブル 待望の翻訳!」とある…

中野 剛志 著 『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室 【戦略編】』(KKベストセラーズ 2019年7月15日 初版第1刷発行)

シリーズ前編の【基礎知識編】は、腑に落ちないところもあるが、著者独特のユニークな視点が新鮮で面白く読めた。 そこで読了後、すぐさま続編の本書【戦略編】を読んでみた。 しかし、正直なところ、期待外れ。 米国の影響を受けたレント・シーカー(自分た…

中原 圭介 著 『定年消滅時代をどう生きるか』 (講談社現代新書 2019年12月20日 第一刷発行)

年末と言えば中原圭介のジンクスはまだ生きていた。 かつては「最も予測の当たるアナリスト」と書かれた帯をまとい、書店の平だなに山ほど新刊書が置かれていた。しかし、今はその面影はない。 本書は、地味に棚刺しされているのをフト見つけ、手に取った次…