まず目に留まるのが、ぶっとい帯に大書きされた「アホな指導者の下でどう生き抜くか」というコピー。
トランプ大統領への非難だろう。
「新自由主義者」大前研一にとっては、自国主義、保守主義、保護貿易主義の権化のようなトランプは「アホ」以外の何物でもなかろう。
しかし、新自由主義はどう見てもエリート富裕層主導のイデオロギーだ。
そりゃ反発も出るよね。その不満が表面化したのがトランプはじめ、世界の保護主義ポピュリズムの台頭だろう。
世相として「新自由主義」が色あせる中、毎年出版される本書シリーズの内容もまた説得力が薄れている気がする。
IT・英語教育重視で世界標準の競争力ある人材を・・というが、そもそも「世界標準」なんてものがあるのか?
自らの嗜好する世界観を、そう称しているだけではないのか?
そして、このシリーズ本、どこを切っても大前節炸裂の金太郎飴状態なので、読む方もだんだん飽きてくる。
しまいには、章のタイトルを見ただけで、内容がなんとなく推察できてしまう。
その上、「今や再選絶望のトランプ」など、明らかに予想が外れかかっている箇所も目につく。(※)
今年末にも新刊が出るだろうけど、もう買わなくていいかな・・
(496文字! MMTへの非難も、論点が核心からそれているように感じた。)
※その後様相が変わり、トランプやや不利の状況に(2020年7月)