多少骨のある経済本を読みたいな・・と思っていたところ、書店で本書を見かけ購入。
内容は思っていた以上に本格派。一般向けの読み物というより、経済学書だ。
それもそのはず、著者は國學院大學の教授であり、本書執筆の目的の一つが、授業用のテキストに使う為だったという。
そのため、本書では経済学的な数式が時々出てくる。またグラフ等のデータも多用され、それを基に日本経済の分析を行う。
全般、我が空気頭には、少々荷が重い内容であった。それでもなるべく理解しながら読み進めたので、読了するのにえらく時間がかかった。
本書では、世にはびこる評論家・コメンテーター等が発する、データに基づかない経済評への批判がみられる。
おそらく著者には、それらの経済評は「単なる印象論」に見えていることであろう。
ただ、綿密なデータを基に出した結論は、時にその「印象論」と大差なかったりするのだが・・
例えば「円安は輸出企業のみが得をし、それ以外の国民には損」「大企業は儲けているが労働分配率を削っている。それが国民生活を圧迫」など。
単なる肌感やざっくりした見立てではなく、綿密なデータ精査・分析の上の結論ゆえ、似てはいても別物、と捉えるべきか。
(500文字! なお、内容に事実誤認では?と思える事項もある。例えば、失業・人手不足がテーマの第9章では「雇用保険給付期間を過ぎた失業者はハローワークに通わなくなる」との記述があるが、そんなことは無い。求職登録さえ行えば、いつまでも求職活動できる。その他、失業事情については、ツッコミどころがいくつかある。このあたりは、何度も失業・転職を経験した、私のような一般人のほうが詳しいのかもしれない。)







