実家の整理をしていた際に、この本が出てきた。せっかくなので持ち帰り読むことにした。
太宰と言えば『人間失格』や『斜陽』など、いくつかの作品は過去に読んだ。昭和初期の作品ゆえ、文章は現代文。時代的にも近いので読みやすかった記憶がある。
本作は、それらに比べても各段に読みやすい。
東京で作家生活を送る太宰が、津軽に帰省旅行に出かける紀行文の体裁である。
時代は戦時中だが、文章に堅苦しさ・重苦しさはない。
太宰が飄々と故郷の(今でいう)青森県中部・西部をバスや電車で巡り、町にたどり着いては酒と地元の旨いもんを味わう。その合間に、ご当地の歴史や人々の気質に触れ、津軽への思いを語る。
なんだ、面白エッセイじゃないか(と、一読した時には思った)。
司馬遼太郎「街道をゆく」シリーズに、もうちょいユーモアを加えた感じ。
読んでいるだけで、青森に興味が湧いてくるし、旅行に出かけたくなってくる。
そして、ラストで太宰が育ての親ともいえる女中に再会するのが、本書のちょっとしたハイライト。
ただ、驚きはその後の「解説」に待っていた。紀行エッセイだと思って読んできたが、実は創作要素が多分に入っていることが明かされる。
だまされた~w
(500文字! 私は自転車旅行が趣味なので、本書に描かれた町々をいつか折りたたみ自転車の輪行旅で巡ってみたい。)
▼ 私が読んだのは岩波文庫版だが、他の出版社からも出ている模様。









