ナチスドイツ下における各種の抵抗運動と、ヒトラーが狙われた爆殺未遂事件(七月二十日事件)が本書の2大テーマ。
前半は当時の社会情勢、および抵抗運動が語られる。
連合国側寄りの姿勢からナチスに抗するものあれば、逆に親ソ連の立場から、あるいは王政復古主義的な思想から抵抗する者もあり。
あるいは政府の統制・国粋主義に反発する若者グループあり、単なる反社的ギャング団あり。
ナチス下のドイツというと、国民全員が熱狂的にヒトラーを支持していたイメージがあったが、意外とそうではないことが示される。
後半の、七月二十日事件に関する記述が本書のクライマックス。
ナチスを扱う映画などで、この爆弾爆発のシーンはよく描かれる。それらの影響で、単発小規模な暗殺といった印象を持っていたが、実態は想像以上に大規模な計画であった。
多くの軍要人が関係している。完全にクーデター計画だ。
現在ではこの暗殺事件の詳細は驚くほど明確になっており、一連の流れが事細かく語られる。
ただ、計画にかかわる要人がそれぞれ異なる政治志向をもっていたりと、一枚岩とはいえない。関係者の中にはどっちつかずの人物もいたりと、大規模な密謀は難しいことがよくわかる。
(500文字! しばらく前に、ブラッド・メルツァー他『ローズヴェルト、スターリン、チャーチルを暗殺せよ』というヒトラーが仕掛けた暗殺(未遂)計画がテーマの本をここで取り上げた。その直後に本書をブックオフで発見。これも何かの縁と思い購入。)
