500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

2018-01-01から1年間の記事一覧

石井 暁 著 『自衛隊の闇組織 -秘密情報部隊「別班」の正体- 』(講談社現代新書 2018年11月15日 第四刷発行)

自衛隊には、内部でもほぼ知られていない「別班」と呼ばれる秘密諜報部隊がいる。その存在は首相、防衛大臣にすら知られていない。 旧陸軍中野学校の系統を引くともいわれる、ナゾのヴェールに包まれたスパイ組織「別班」。 その曖昧模糊とした存在に、共同…

寺島 実郎 著 『ジェントロジー宣言 -「知の再武装」で100歳人生を生き抜く- 』(NHK出版新書 2018年8月10日 第1刷発行)

本書を手に取って、ジェントロジーという言葉を知った。 日本語では「老年学」と訳されることが多く、ややもすると老齢=社会問題としてと捉えがちであるが、本書では「老人の健全な社会参加を実現するプラットフォームの構築」をジェントロジーの本分と訴え…

スティーヴン トールティ 著 / 黒原 敏行 訳 『ブラック・ハンド -アメリカ史上最凶の犯罪結社- 』(早川書房 2018年10月25日 初版発行)

サブタイトルに偽りあり、という気がする。 ウィキペディア(イタリア語「マーノ・ネーラ」の項)に記載がある通り、ブラックハンドは「単一の組織の名称では無く、複数のギャング組織が行っていた犯罪行為の総称」と捉えるべきであろう。 それを無理やりマ…

高槻 泰郎 著 『大坂堂島米市場 -江戸幕府vs市場経済- 』(文春新書 2018年7月20日 第一刷発行)

金融デリバティブの発祥はオーサカ・ジャパン。しかも江戸時代に市場確立。すごいぞニッポン。あっぱれ大阪(当時「大坂」)、さすが商人の町! ・・今ではそう称賛される堂島米市場(以下、米市場)だが、その実態は意外と知られておらず、イメージ先行の感…

エドワード ルトワック 著 / 奥田 真司 訳 『日本 4.0 -国家戦略の新しいリアル- 』(文春新書 2018年9月20日 第1刷発行)

「世界的戦略家」ルトワック氏による、日本への提言・未来予測を思わせるタイトルだが、日本について重点的に書かれているのは、全9章の内、第1章のみといってよかろう。 実のところ本書は、巻末の訳者解説によれば、ル氏来日の際に行ったインタビュー及び…

城田 真琴 著 『デス・バイ・アマゾン』(日本経済新聞社 2018年8月22日 1版1刷)

最近はやりのアマゾン脅威本。 この手の本を手に取るのは、アマゾンを脅威に感じる業界に従事する方ではなかろうか。たとえば一般的な小売業とか。 本書は、アマゾンに対してネガティブな印象の表題なので、特にその傾向は強かろう。 たしかに本書では、アマ…

池上 彰 ・ 佐藤 優 『知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術』(文春新書 2018年8月20日 第1刷発行)

池上彰・佐藤優コンビの世界情勢深読み対談シリーズ第4弾(※)。 帯にはシリーズ「累計70万部突破」とある。 対談なので、サクサクと読みやすく、旬の世界情勢ネタを深くわかったような気にさせてくれるのが人気の秘訣だろう。 本書は5章で構成されており…

成毛 眞 著 『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社 2018年8月8日 第1刷発行)

もう、タイトルそのまんま。アマゾンのスゴさを徹底的に考証した本だ。 最近よく見られる「アマゾンの脅威」、ひいては「対アマゾン戦略」を説く本ではない。 しいて言えば、「アマゾン称賛本」といえようか。 いや、特にアマゾンを褒め称えているわけでは決…

嶋中 雄二 著 『第3の超景気 ゴールデン・サイクルで読み解く2025年』(文芸春秋 2018年5月23日 第1版2刷)

経済学の世界では、短期・中期・長期・超長期の、4種類の景気循環波動があるとする説が知られている。 その4つの波がすべて上向く、めったにない黄金期が2018年ぢゃ! さらには2020年の五輪もあいまって、2020年まで好景気が続くぞいッ! ・・というのが、…

内田 樹 編 『日本減少社会の未来学』(文芸春秋 2018年4月30日 第1刷発行)

最近、人口減少がテーマの書籍を多く見かける。その多くは、悲観的な未来の社会予想であったり、少子化の防止策を訴える内容であったりする。 しかし本書は、それらとは一風異なる。 (編者の序文を入れると)11名の論客による人口減少社会論アンソロジーと…

森 博嗣 著 『読書の価値』(NHK出版新書 2018年4月10日 第1刷発行)

私は、著者の「森博嗣」さんという方のことを全く知らないが、帯キャッチコピー > 誰も言わない「読み方」を教えよう の一文に興味をもち、本書を購入した。 工学博士にして、元大学助教授。現人気SF作家というユニークなキャリアをお持ちの方とのこと。 そ…

大前 研一 著 『世界の潮流 2018~19』(株式会社プレジデント社 2018年4月18日 第1刷発行)

まあ、とにかくわかりやすい。 タイトル通り、世界の近況・概況を開設した本だが、コムヅカシイことは全くなし。まるで池上彰の解説本のように平易で読みやすい。 私のような、「世界の政治やビジネスなどの近況について興味はあるけど、複雑な図表や数値を…

三戸 政和 著 『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門』(講談社プラスアルファ新書 2018年4月19日 第1刷発行)

世の中には、後継者がいないなどの理由で、業績は悪くないのに廃業する小企業が意外なほど多い。 小企業の多くはIT化に乗り遅れ、効率的な運営ができていないから、その経営権を買い取り、効率化を施せば業績アップまちがいなし。 今や経営権はネット上で売…

鈴木 康弘 著 『アマゾンエフェクト』(PHP新書 2018年 4月18日 第1刷発行)

竜頭蛇尾の感が否めない。 表紙には「究極の顧客戦略に日本企業はどう立ち向かうか」「アマゾン・エフェクトに勝つ方法を明らかにする」と勇ましい文字が躍る。 しかし中身は、セブン&アイ(7&i)グループで、CIOとしてオムニチャネル(オムニ7)の導入の…

若田部 昌澄 著 『ネオアベノミクスの論点 -レジームチェンジの貫徹で日本経済は復活する- 』(PHP新書 2015年 2月27日 第一版第一刷)

先日「リフレ派の代表格が日銀副総裁に登用」との報道あり。その話題の人物、若田部氏の著作を読んでみたいと思った次第。 「お金をばらまけば景気は良くなる」と唱えるステレオタイプなイメージから、所謂「リフレ派」には、従来より懐疑的な印象を抱いてい…

山川 健一 著 『問題児 三木谷浩史の育ち方』(幻冬舎 2018年 2月7日 第1刷発行)

私は仕事としてネット通販の店舗運営に関わっており、楽天店舗を担当していたこともある。そのため、つい気になり本書を手に取った次第。 ご存じ、楽天を一代で築き上げた三木谷浩史氏の半生記である。 一橋大~興銀~ハーバードでMBA取得という経歴から、本…

佐藤 優 著 『世界史の極意』(NHK出版 2015年 1月10日 第1刷発行)

著者はとにかく多作な人である。次から次へと本が出る。そのため、著作によって内容の濃淡、読む側からすれば、「あたりハズレ」がある。 そんな中、大上段に振りかぶったタイトルが目を引く『世界史の極意』は、「あたり」の部類に入る作品だ。 佐藤氏は「…

寺島 実郎 著 『中東・エネルギー・地政学 - 全体知への体験的接近 - 』(東洋経済新報社 2016年 9月8日 発行)

ブックデザインで損をしている本だ。 カバーに記された表題には各単語を区切る「・」がなく『中東エネルギー地政学』と読めてしまう。これだと石油をめぐる国際情勢を論じた専門書かと思ってしまう。 実際にはテーマを狭く絞った本ではない。むしろ逆で、戦…

池上彰 増田ユリヤ 『世界はなぜ"右傾化"するのか?』(ポプラ新書 2017年 6月8日 第1刷発行)

タイトルに惹かれて読んでみたが、正直、期待外れだな~。 世界的なナショナリズム傾向を多面的に考察したり、思想的な潮流を掘り下げるようなことはない。 ざっくりとした近代史の背景解説と、米国や欧州のルポルタージュ、そして著者どうしの対談が収録さ…

朝香 友博 著 『インド+親日アジアで化ける日本株100』(株式会社アールズ出版 2017年 2月1日 初版第1刷発行)【書評】

これからインド経済が伸びる。間違いない。 ゆえに、かの国の株に興味がある。しかし、インド企業株は外国人は簡単に買えないのだ。 コストばかり高いインド株投信に手を出すのもためらわれ、つい手に取ったのが本書。 著者は「Mrテンバガー(10倍高)」の異…

中島 真志 著 『アフター・ビットコイン 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者』(新潮社 2017年 10月25日 発行 - 4刷 2017年 11月30日)【書評】

投機だ、バルブだ、いや詐欺だ。何かと話題のビットコイン。 本書は元日銀研究員が、ビットコインをはじめとする仮想通貨の仕組みと問題点、そして今後の可能性を解説したもの。 日銀時代に職務として仮想通貨を研究した人物だけあって、全体の俯瞰性が素晴…