前回取り上げた、岩尾俊兵『世界は経営でできている』に続いて、本書を読んだ。
本書も『世界は』と同様、一般向け経営学エッセイだ。
著者の肩書も、どちらも大学の准教授。しかも発行時期はほぼ同じ(わずか3日違い)。もしかして著者どうし知合いで、時期を示し合わせて出版したのだろうか。
さて、本書は著者の趣味(釣り・筋トレ・プラモデル 等)や、町中でのちょっとした気づきから説き起こし、経営学的な視点から、それらの業界のビジネスモデルについて解説するというスタイルをとる。
『世界は』ほどエンタメエッセイ色は強くないが、気軽に読めて、生活において役に立つ考え方を提示する点は共通している。
そして、身近な世界にこそ経営学のテーマがあるというスタンスも、両者似ている。
経営学というと、通常は事業のマネジメントや戦略、ビジネスモデルの分析等々、企業向けのノウハウの集積をイメージする。
しかし、考えてみれば、現代社会における生活は、企業による生産物に囲まれている。それらを考察・解析することにより、経営のエッセンスに行きつくこともできるはず。
世にあふれる、ありきたりなビジネス経営書に対する、著者なりのアンチテーゼを感じた。
(499文字 今回読んだ経営学エッセイ2冊により、経営学に対するイメージが変わり、すこし興味が湧いた。)
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