500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

櫻井 義秀 『霊と金 スピリチュアル・ビジネスの構造』(新潮新書 2009年5月20日 発行)

帯付きで書店の平棚に置かれていたので、昨今の「旧統一教会」問題を受けての新刊かと思い購入。

 

実際には2009年発行の本を、時事ネタに合わせて急遽復刊増刷した書籍であった。

 

内容的は、霊感ビジネスに一時取り込まれた人の実例エピソード、宗教の現況と経済的な問題、スピリチュアルビジネス見本市イベントへの参加体験談、まとめとして霊感ビジネスと世相の関わり・問題点の分析、といった形。

 

十年以上前の本であるが、全く古さを感じさせない。

 

カルト的新興宗教や霊感ビジネスにまつわる問題の本質は、昔から変わっていないという事であろうか。

 

 


なお、本書の特徴は、ややウケねらい的な言い回しを含む平易な文章。

 

著者の気質もあるのだろうが、幅広い層に読んでもらいたいという意図だろうか。面白くサクサク読める。

 

宗教や霊感ビジネスの批判本は、それらに否定的な層しか手に取らない。読者の間口を広げるには有効な作戦かも。

 

さすがに、総括的な終盤は、学者らしく真面目な文章だが(著者は宗教社会学専攻の北大教授)。

 


本書がスピリチュアル等の言葉に傾きがちな人の手に届き、悪質な霊感ビジネスから遠ざける「お守り」になってくれればと願わずにはいられない。

 

(500文字! 個人的には、そもそも宗教=ビジネスだと考える。宗教施設を作り、職員を雇い、イベント等を行うには、絶対に金が要る。宗教が金を作るには、信者を増やし「お布施」を狩り集めるしかない。あらゆる宗教には霊感ビジネスの仕組みがハナからインストールされていると思う。)