500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

黒川 祐次 『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』(中公新書 2002年8月25日初版)

ロシアによるウクライナ侵攻後、ネットには関連記事があふれ、次いで緊急出版的な形で軍事、政治、経済など各方面からの解説・分析本が多数世に出た。

 

しかし、それらよりも、もっと根本的な事が知りたい。

 

ウクライナとロシアはどのような歴史関係を持つのだろうか。そこを知らずして、百出する解説本を読んだところで、表面的な理解しか出来なかろう・・そう思っていた時に、書店との特集棚で本書を見つけた。

 

初版は20年前と古い本だが、時流に合わせてリバイバル的に再版されたと思われる。

 

読んでみると、まさに自分が求めていた内容であった。

 

ウクライナの地における覇権の相克が、古代から年代に沿って章立てされ、分かりやすく述べられている。

 

各章のテーマを並べると以下の通り。

 

スキタイ → キエフ・ルーシ → リトアニアポーランド → コサック → ロシア・オーストリア → 中央ラーダ(短期間の独立) → ソ連 → 独立(現在)

 

波乱万丈、様々な周囲の大国に振り回された歴史だ。

 

その複雑な来歴を思うと、国内外に様々な対立の火種を擁していることが理解できる。

 

今回の戦争の原因を、単にロシアの地政学的な欲望とみなすことも可能だが、その深層には悠久の歴史が沈殿している。

 

(500文字! ウクライナの象徴である青黄の2色旗、三叉鉾の紋章は1910年ごろに束の間の独立を果たした中央ラーダが制定したもの。そう考えると、1世紀越しの、真の独立戦争と見ることもできる。)