けったいな本である。
タイトルだけみると、サラリーマン向けの処世術かと思うであろう。
しかし、実態は、現代を含む歴史上の有名人の生きざま解説である。
そして、その解説を、最後にチョロッ処世訓に結び付けて各章を〆るという、よくわからないコンセプトの本だ。
ちなみに、1章一人で、合計8人を解説する。
そのメンツは、乃木希典、田中角栄、ドナルド・トランプ、山本七平、李登輝、オードリー・タン、アウンサンスーチー、ドフトエフスキー。
見事に脈絡がない。
いったい、何を目指して作った本なのだろうか。
ちなみに、本書の冒頭近くに「著者もあまり書きたいと思っていない、編集もイマイチ乗り気でない、営業も売りたいと思わない、そんな本がなぜかできてしまうことがある(笑)」という一文が出てくる。
それって、本書の事では?(爆)
まあ、池上・佐藤コンビの本は、「知識・教養」というよりも、「娯楽」的な感覚で読むことが多い。
本書も、タイトルとコンセプト、それにとってつけたような処世訓さえ無視して気軽に読めば、それなりに面白い。
(445文字 それにしても、池上・佐藤コンビの本はこれまで何冊出ているのだろう。厳しい出版業界にあって、しっかり長年生き延びている。)