近年、緊迫化の度合いを増す国際情勢。それを受け、最近歴史関連の本を読むことが増えた。
世界各地の紛争は、元をたどれば、歴史的な経緯に行きつく。その詳細を知っていれば、紛争関連の報道も一段深く見ることができる。
本書も、そんな歴史への興味の一環から手に取った。
本書は、かつて中国大陸に展開した日本軍の一派「関東軍」がいかに勢力をつけ、その結果暴走し、崩壊するまでの流れを克明に追う。
新書なので気軽に手に取ったが、中身はずっしり。とにかく情報量が多い。私の様な「ちょっと興味を持った」レベルの人間が読みこなせるものではない。ほとんど研究書のように思える。
でも、買った以上、無理くり読み進める。
満州事変やノモンハン事件など、主だった出来事の表層的な流れは知っていたが、その裏にはこんなにも複雑な軍隊内の主導権争い、派閥間のあつれき、人間関係があったものかと唖然とした。
また、情報通信が未発達の時代に、海外の地で、これほど大規模な軍事オペレーションが行われていたことにも驚嘆。そりゃ中央からのコントロールは効かず、暴走しやすいことは想像がつく。
日本が敗戦に至る、大陸での動きを知ることができ、読んだかいはあった。
(500文字 通勤途上でちょこちょこと読み進めたが、読了までえらく時間がかかった。)
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