500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

齋藤 幸平 『ゼロからの「資本論」』(2023年1月10日 第1刷発行)

かつて大学の経済学部では、近代経済学(近経)とマルクス経済学(マル経)の基礎的な授業が必修だったと聞く。

 

私も大学では経済を専攻したが、共産圏崩壊後の世代故、マル経は影も形もなかった。

 

しかし、今になり思うのだが、市場原理ばかりを論ずる近経だけでは片手落ちではないか。

 

「富」「価値」「価格」「商品」「労働」など、人と経済の根本的な繋がりを論ずるマル経は、経済を学ぶ上で必須ではなかろうか。

 

そんな学びなおしの意図から、ごく一般向けのマル経解説書をこれまで何冊か読んだ。しかしどれもイマイチ。

 

ところが最近手に取った本書は違った。説明がわかりやすい。平易な文章で、知りたいことを語ってくれる。買ってよかった。

 

ただ、本書後半では「本来のコミュニズムソ連は別物」「本当のコミュニズムとは」的な、イデオロギーがらみの話になってくるので、その辺は流し読み。

 

理想的な「本当のコミュニズム」で動いている国は皆無。

 

結局どのような形であれ、コミュニズムは人間の本性に反していると思われる。

 

そういう無用なイデオロギーからマル経を切り離し、経済学として有効な部分を抽出し、別の名前を付けて体系化・再構築できれば良いと思うのだが。

 

(500文字! わかりやすいのも当然で、本書は「NHK100分de名著」内容を元に大幅加筆して書籍化したものらしい。)

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