500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

安達 宏昭 『大東亜共栄圏 帝国日本のアジア支配構想』(中公新書 2022年7月25日 初版)

ウクライナ戦争の影響だろうか、最近、近代史に興味が湧く。その一環で本書購入。

 

大東亜共栄圏といえば今日、戦前戦中における日本の帝国主義の象徴としてネガティブ語られるが、一部ネトウヨ連中は欧州列強からのアジアの開放として好意的に捉えることもあるようだ。

 

しかし、本書は、そのようなイデオロギーから距離を置き、大東亜共栄圏の構想発足~実行~崩壊を、綿密な記録に基づき、歴史的な事実を追求する。

 

あとがきによれば、本書は構想16年!そのため内容は濃い。私の様なニワカには情報量が多すぎて、咀嚼しきれない。

 

ただし、読み通すことにより、大東亜共栄圏の理想と実態、そして盛衰の流れが大まかに理解できた。

 

列強の一角に食い込んだ大日本帝国が、欧州帝国主義に対抗して、自らを盟主とするアジアの団結、経済圏構想をぶち上げる → しかし当時の日本にそんな大規模構想をまとめる力量はなく、WW2突入以降は、日本による一方的な物資調達手段に → 日本の戦況劣勢によりガタガタに、敗戦で消散。

 

ただし圏内のアジア各国は、大東亜共栄圏を独立への踏み台に利用した感もあり、そういう意味ではアジア発展にある意味貢献したと言えなくもない。

 

そう理解した。

 

(500文字! 明治維新後の急速な富国強兵策が、運もあってうまくいきすぎ、最終的に躁状態になって、分不相応で自意識過剰な「アジアの盟主」を夢見てしまった・・そんな風にも感じられた。)

 

大東亜共栄圏 帝国日本のアジア支配構想 (中公新書)

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