帯の赤太字「一生モノの思考法」に惹かれて購入。
そう書くと、真面目なビジネス系読み物に思えるだろうが、実際には、経営に絡めた面白エッセイ。
自らの文体を「令和冷笑体」と称する。あきらかに、その昔、椎名誠らが流行させた「昭和軽薄体」エッセイのフォロワーだ。
最近、その手のエッセイは少なく思う。久々にこのような文体を読むと新鮮でR。
そして「経営」というと企業経営を思い浮かべるが、本書によればもっと幅広い概念とのこと。いわば「物事にうまく対処し、最適解を得る」ことを指すようだ。
そのため、本書では「日常」「貧乏」「家庭」「恋愛」「勉強」など15のテーマを著者なりの経営視点で語り、問題解決のTipsを示す。
ベースが面白エッセイなので、読んでいて全く肩がこらず、そして生活の役に立つ。
さらに、文中の見出しはすべて名のある文学作品等のタイトルをパロディしたもの。ウィットに富み、手の込んだ作りとなっている。
そんな中、時折真面目な解説も混ぜるバランス感に好感が持てる。
気軽なエッセイの体をとることで、懐のひろい「経営」の概念を多くの人に伝えたい・・そんな著者の思いを感じた。
(500文字! 昭和軽薄体ぽい新作エッセイを読みたい方におすすめ。)
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