最近、登山関連の本を立て続けに読んだ(★)
登山に本格的な関心があるわけではないが、独特の異世界を覗いてみたい好奇心から読んでみた次第。
すると、ある日、kindleのレコメンドに本書が表示された。
副題にある「栗城史多」という人のことは全く知らないが、登山関連本のようだ。
帯の「開高健ノンフィクション賞受賞作」にも惹かれて即購入。
読み終えて、「へえ~こんな人がいたのか」と、ある意味感心。
この方は、いわば「自称登山家のタレント」といったところ。
登山の腕前は中途半端ながら、SNSでファンを増やし、人脈構築力で著名人の知遇を得てメディアにも露出、それらを背景に企業スポンサーを獲得し・・と、わらしべ長者のように知名度を獲得していった様が本書で描かれている。
しかし、何度も挑んだエベレストでは、実力とのギャップから何度も跳ね返され、最後には死に至る。
生来に目立ちたがり屋で、メディアを巻きこんで「登山家」として世に出たものの、最後は自ら作り上げた虚像に追い詰められた・・。なんか切ない。
いくら積極的で、自己演出と売出し方に長けていても、見合った実力がないと、真の名声には遠い。そう感じた。
(500文字! なお、本書は暴露本的な側面もある。リアルタイムでこの方を見ていたなら、別の楽しみ方があるかもしれない。)
★ついでというわけではないが、何冊か読んだ登山本も紹介しておこう。
エベレスト遭難事故の現場にいたジャーナリストによる回想。近年話題の「営業公募隊」登山の実態に迫る。
探検家って、どうやって食ってるんだ? そんな疑問に現役探検家が答えた面白エッセイ。