500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

中島 真志 『仮想通貨 vs. 中央銀行 「デジタル通貨」の次なる覇者』(新潮社 2020年6月20日 発行)

仮想通貨ブームさなかに出版され、好評を博した「アフター・ビットコイン」から早や3年。

 

「アフター・ビットコイン 2」と副題のついた続編(本書)が刊行された。

 

前作はとても良かったが、実を言うと、当初本書には食指がうごかなかった。

 

というのも、その後仮想通貨ブームは下火に。そして本書が巻頭で大きく取り上げるFacebook主導の新デジタル通貨「リブラ」は、現在暗礁に乗り上げているように見える。

 

ちょっと機を逃した本に思えた。

 

しかし、読んでみると、個々のブームには左右されない、今後の通貨の行方を解説・考察した、とても内容の濃い本であった。

 

しかも、文章が神業的にわかりやすい。

 

通貨のデジタル化というと、貨幣論IT技術についても触れねばならず、コムヅカシイくなりがちだ。

 

しかし、前作同様、一般人でもスラスラ理解できてしまう。この筆力はスゴイ。

 

 民間・中央銀行のデジタル通貨の最前線、覇権争い

 

 乱立する仮想通貨とそれを取り巻く魑魅魍魎

 

そういった興味深いテーマが、平易に解説されている。

 

今、仮想通貨が盛り返しつつあり、各種デジタル通貨は今後ますます注目を集めるだろう。

 

本書にスポットがあたる日が、近々来るかもしれない。


(498文字! 売れた本の続編モノというと焼き直し多用の薄味になりがちだが、本書はそうではなかった。デジタル通貨のゆくえ次第では、更なる続編があるかも。)