投機だ、バルブだ、いや詐欺だ。何かと話題のビットコイン。
本書は元日銀研究員が、ビットコインをはじめとする仮想通貨の仕組みと問題点、そして今後の可能性を解説したもの。
日銀時代に職務として仮想通貨を研究した人物だけあって、全体の俯瞰性が素晴らしく、さらに各テーマを深く掘り下げて解説。充実の一冊となっている。
内容を一言でまとめれば「ビットコインは先が見えた。しかし元々ビットコイン用に開発されたブロックチェーンの技術は今後発展が見込まれる。両者は分けて考えるべし」。
本書前半の仮想通貨の解説を読めば、現在のビットコインバブルは本来の設計思想を超えた暴走状態であることが伺い知れる。
しかし後半では、ブロックチェーンは各国中央銀行はじめ様々な金融機関から注目され、様々な実証実験が行われている意外な現況が紹介される。
改竄が困難である点がその理由。
国際送金、決済のブレークスルーになる可能性があるという(実用化するには、現行の金融システムをリプレイスする必要があるので、そう簡単ではないが)。
これから買うなら高騰済みのビットコインではなく、ブロックチェーンの技術開発を追求している企業の株だ!
(491文字! 個人的には「昨年読んだ本のNo1」。大推薦の一冊ですわ。)