昨年後半から話題沸騰のMMT。
なんでも「政府債務を無制限に許容する異端経済学」とか。なんだそりゃ?
当然というべきか、批判の声も多い。
そうなると、逆に気になる。
そして、出版されたのが本書。
帯には「第一人者によるバイブル 待望の翻訳!」とある。これは読むしかない。
訳者解説含め536Pの大著。身構えつつ読み始めたが、語り口は一般向けだ。
平易な例え話も多く、読みやすくて、ホッ。
とはいえ、私の空気頭でMMT理論を完全網羅的に理解すること能わず。そして500文字で内容をまとめるのは不可能だ。
そこで、以下事項だけは述べておきたい。
MMTは「自国通貨建てであれば、政府が債務を無限拡大可能」としているが、それはあくまでも「理論的に可能」と論じているだけで、「そうすべき」と主張しているわけではない。
この点は、本書でも繰り返し強調している。
では「政府予算について、誰が、いかにタガをはめるのか?」という点についての説明は、弱いように感じた。
また「政府は通貨を簡単に自作し、支出を賄えるのであれば、なんで国税払わなアカンのや!」という問題についても、論が薄いように思える。
ツッコミながら読んでこそ、経済書は、楽しい。
(500文字! 前回記事で取り上げた『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室』著者の中野剛志も、本書の訳者の一人として名を連ねている。
『奇跡の』と本書の主張は、似ている部分もあり、違うように感じる部分もあり。)