シリーズ前編の【基礎知識編】は、腑に落ちないところもあるが、著者独特のユニークな視点が新鮮で面白く読めた。
そこで読了後、すぐさま続編の本書【戦略編】を読んでみた。
しかし、正直なところ、期待外れ。
米国の影響を受けたレント・シーカー(自分たちの利益を増やすためにルールや規制あるいは政策の変更を行うよう、政治や行政に働きかける人たち)が諸悪の根源と論じている。
まるで森永卓郎やん。
そりゃあ、様々な政治勢力は現に存在するし、それぞれが自分たちの利益や便益を追求するのは世の常で、どこの国でもそうでっしゃろ・・と言いたくなる。
なお、本書は合間にチョコチョコとMMTの解説コラムが挟まっている。
これが一つのウリになっているが、イマイチわかりづらく、気持ち悪さが残る。
そこでMMTの本格的な解説書である(あのクソ分厚い)L・ランダル・レイ「MMT現代貨幣理論入門」を読んでみた。そこで想像以上に強固なMMTの理論を知ってびっくり。
「MMT現代貨幣理論入門」を読んだ後に本書を振り返ると、本書は著者独自のモリタク的考えがあり、それに沿うようにMMT理論を適宜都合よく援用しているだけのように思えてしまった。
(495文字! 本書はすぐ読めたが、関連本として「MMT現代貨幣理論入門」に手を出してしまい、そちらの内容に感嘆。本書のことは忘れてしまい、レビューを書くのが遅くなってしまった。)
▼ この本面白い。やたら分厚くて重いけど。