最近増えているイスラム系の日本定住民についての警告の書・・というべきか。
著者の主張としては「ムスリムは法律よりも神様を上位に置く。そのため順法意識が低い」「イスラム文化を広めることを善行と考え、移住先の文化を破壊する」というもの。
その指摘は、傾聴に値するし、その脅威についても軽視すべきではないと思う。
ただし、文調がヒステリックなのが難点。また「イスラムの脅威」を示す類似エピソードを延々連ねるのも、感情ばかりが先走っているようで、読んでてしんどい(実際そのあたりは流し読みした)。
この扇動的な姿勢は(ネトウヨ連中は賞賛するだろうが)一般的な層は引いてしまいそう。
自らの主張を世間に届けたければ、もっと理知的な語り口のほうが説得力を持つだろう。
イスラムの脅威は確かにあれども、現時点では微弱。
さらに日本に来るムスリムは、著者の指摘するように、ほとんどが出稼ぎ目当て。そのため、波風立てぬよう気を付ける人や、国によってはムスリムではあれど世俗化している人も多かろう(本ブログで取り上げた 若宮總『イランの地下世界』に詳しい)。
このような書籍が著者の思惑から外れて、ヘイトをあおってしまうことを危惧する。
(500文字! 出版社が産経系なので、どうしても右翼、というかネトウヨ寄りになってしまう事情があるのだろうけどね。)
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