2025年開催の万博には疑問を感じること多々あり本書を手に取った。
本書は5人の専門家が各1章を受け持ち、それぞれの見地から大阪万博の問題を指摘する。
第1・5章が、誘致に積極的であった維新と万博の関係、第2章は立地上の問題点、第3章は万博と広告代理店、エンタメ企業との関係、第4章は経済効果について論じる。
個人的には、第2章と第5章が興味深かった。
第2章では、地盤のゆるい人工島がなぜ難題となるのかを解説。夢洲には既に建物が多数あり、どうして万博だと問題になるのかが、本章を読んでやっと腑に落ちた。
長期想定の建物なら杭打して土台を固めればよい。しかし、短期間前提のパビリオンにそれは不向き.
それを避けようとすれば「浮き基礎」という方式をとらざるを得ず、これだと定型的な建物しか作れないという(だから主催者側は出展者にプレハブ的な建物を推奨していたのか!ナルホド)
第5章では、維新の会のブレーン的存在であった、元官僚で作家の堺屋太一が「万博に取りつかれた男」であったことの悲劇が語られる。過去の70年万博での成功体験が、堺屋を、そして維新を万博に猪突猛進させたと断じる。
巨額損失万博になるのだろう。南無。
(500文字! WTC、ATC等々に代表される数々大阪の官製事業は、大甘な見通しで結果大赤字 → 税金で穴埋めというのがテンプレ化している。今度の万博もそうなるだろうな。目立ってナンボ、派手好きで刹那主義の大阪気質。それが政治にも浸透している。大阪って、ホンマ、アホやで。)
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