タイトルでわかる通り、ローカル本である。
神戸中心街の西部に位置する交通の要衝、新長田。駅の南側から、整備された地下道が延々連なり、その上にはショッピングモールを思わせる3層フロアの建物が連なる。
阪神淡路大震災以降に2300億以上の予算をつぎ込んで復興・開発した大型施設だが、規模に見合った人通りがない。すでに「シャッター街」的様相を呈している。
なぜこんなことになってしまったのか。経緯を知りたくて本書を購入。
読んでわかったのは、公共事業特有の甘い需要予測・独善的な計画に「震災復興」の大義名分が加わり暴走。そこに建設関連事業者がウマウマと関わってきたのが事の顛末のようだ。
ひどい話である。
ただ、現実問題として、施設はすでにある。
ならば、どう運用するのがベターなのか?
その提案を本書に期待したのだが、肝心のその部分が弱いと感じた。
もちろん提案もあるのだが、SDGs、住民参加等の美辞麗句は空々しく思える。
要はこの施設で「いかにゼニを稼ぐか」が最大の課題ではなかろうか。
例えば、レンタルオフィス、ビジネスホテル、コンテナボックス等の、空きビル活用業者を大々的に呼び込むなどの策があっても良いと思うのだが。
(500文字! バブル以降、自治体主導の大規模ハコモノ事業って、たいてい失敗している。なんで学習しないのかホント不思議だ。ま、ハコモノ大好きで失敗連発でも一向に反省せず突き進む大阪より、神戸はマシかな。)