500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

中原 圭介 著 『定年消滅時代をどう生きるか』 (講談社現代新書 2019年12月20日 第一刷発行)

年末と言えば中原圭介のジンクスはまだ生きていた。

 

かつては「最も予測の当たるアナリスト」と書かれた帯をまとい、書店の平だなに山ほど新刊書が置かれていた。しかし、今はその面影はない。

 

本書は、地味に棚刺しされているのをフト見つけ、手に取った次第。

 

 


やっぱり、かつて自信満々に予測した「電気自動車は実用化困難」が大外れした影響かな。

勢いを失って以降、ワンテーマ的な書籍を出すことが多くなっている印象だ。

 

 


本書は、定年消滅 ~ つまり高齢化・人口減少に伴い、高齢者も労働力にならざるを得ない状況の解説と対応策がテーマだ。

 

ただ、内容の大枠は、本ブログでも取り上げた、デービッド・アトキンソン『日本人の勝算』に近いものがある。

 

また、労働市場における希少価値の作り方については、藤原和博『必ず食える1%の人になる方法』あたりの論法に近い。

 

世界に通用するIT教育が必要という主張に至っては、「お前は大前研一かいっ」とツッコミを入れたくなる。

 

そして、従来の中原節といえる「一定レベルの詰め込み教育は必要」等の主張は影を潜めてしまった。

 

なんだか、オリジナリティに欠けるなあ、というのが正直な印象。

 

ちょっと寂しくなる。

 


(493文字! 因みに中原氏は「最も予測の当たるアナリスト」と評される以前は、仕手株で儲ける系の著書を出していた。

 

年齢を経て立場も変わり、著作の内容も変遷していった。もし可能であれば、今の視点から、再び株の攻略本を出してほしい。)