最近こういう「経済学読みもの」が面白い。いろんな主張が百花繚乱。
それぞれに説得力があり、ツッコミどころもある。
考えながら読めるので、頭の体操に最適。
本書の主張は「デフレ時に国の財政黒字化を目指すのは逆効果」「財政赤字なんて問題じゃない。なぜなら国(&日銀)がお金を刷って賄えばいいんだから」的なもの。
頷ける主張もある一方、疑問に思う所も多々ある。例を挙げると・・
著者はデフレ要因を貨幣供給量の少なさに求めているが、どうみても経済のボーダーレス化(安価な海外商品の国内流通、インターネット経済の普及)、さらには人口減少こそが最大要因ではないか(著者の言うように、日本は内需大国ならなおさらだ)。
また日本でハイパーインフレは考えにくいので、財政赤字は気にするなとの主張もあるが、それだと財政モラルハザードが起きてしまう。意図してタガをはめる必要はあろう。
国は自国通貨を発行して財源を賄える。そのため、税金は財源確保の手段ではなく、物価調整の手段という主張にはなんとも・・。
そんな理由で、誰が税金を払うんだ。
などなど。
本書には続編の【戦略編】もある。それらギモンに答えがあるか、そちらも購入し読んでみよう。
(499文字! 帯には「経済常識が180度変わる衝撃!」とあるが、そんな歴史的名著がKKベストセラーズから出ることは、ないと思うなw)