かつての受験時代、世界史は得意科目であった。あれから幾星霜、知識はあらかた抜け落ちている。
世界史、少し学びなおしてみっか。そんな思いから、本書を手に取った。
よくある「世界史の学びなおし本」だと思って。
ところが、その内容は期待したものと毛色が異なった。
まず、地球の寒冷化~温暖化のサイクルが歴史を動かす主な原因として、その流れに沿って各時代を解説する。
さらに、かつて学んだ教科書では出てこない人名・イベントが、どんどん出てくる。
読んでいて、自分の学んだ世界史は何だったのか、という気がしてくる。
歴史というものは、切り口に寄って、まったく違った解説ができるという好例であろう。
思えば、かつて学んだ世界史は「ナントの勅令」「カノッサの屈辱」など、それ重要?というイベントがたくさん出てきた。それは、欧米の歴史観をベースに教科書を作ったからという見解も聞いたことがある(そこに中国の歴史、その他の地域を追加して編纂し教科書のベースができたとか)。
教科書の記述は、歴史というビッグデータの一つの見方に過ぎない。そう教えてくれる、興味深い書籍であった。
そのため、本書の見方が正統派だと考える必要もないわけだが。
(499文字 とはいえ、最近の歴史教科書がどうなっているのか、全く知らないのだが。もしかして、今の教科書は、本書の様な歴史観で書かれているのだろうか?)
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