500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

湯本 雅士 『新・金融政策入門』(2023年7月20日 第1刷発行)

タイトルに「入門」とあるが、一般向けにしてはレベルの高い本だ。

 

近年話題の、金融政策関連の経済トピックを、アカデミックな視点から解説する内容となっている。

 

網羅的であり、ゆえに結論に向けての流れやメッセージ性があるわけではない。また、一度読んでスッと頭に入るほど平易でもない。

 

故に明確な読後感を持ちづらい本ではある。

 

ただ、所々に印象的なフレーズが出てくる。個人的にとりわけ心に残ったのは

 

「理論として筋が通っているということと、適切な政策であることの間には大きなギャップがある」

 

という一文。

 

経済学系の書物では数式が出てくることが多い。

 

経済事象から主要素を取り出し、それら関係性の把握方法として数式を用いるのは勿論理解できる。しかし時折、有名な数式をこねくり回し、どんどん現実から乖離していく書籍に出くわすことがある。

 

現実のトピックの解説から始まり、その解説の一助として時折数式が登場する本書のスタンスは好感が持てた。

 

また「日本の個人税負担率は先進諸国の中では低い方」「日銀の白川総裁時代は、欧米に劣らぬ規模の緩和策を行っていた」など、ファクトを元に、一般に流布するイメージを淡々と覆す姿勢も面白かった。

 

(498文字 正直、本書をしっかり理解できたとは言えない。私の空気頭には、ややレベルが高すぎたかな。)

 

新・金融政策入門 (岩波新書 新赤版 1980)

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