内容を一言で表せば、アフリカのイメージを覆す本だ。
灼熱・砂漠・未開・飢餓・・そういったマイナスイメージが、偏ったものであることを、ベストセラー本『ファクトフルネス』の手法を拝借することで(=データ明示することで)払拭して見せる。
例えば、経済発展著しい国の都市部では、日本の平均年収クラスの世帯が珍しくないことが数字で示される。
(もちろん、都市と地方、ハイソ地区とスラム街など、格差が甚大という問題は依然あるのだが)。
それら急速な経済発展にチャンスを見出し、アフリカがいかに広大で魅力的なマーケットであるかを力説する。
そして、すでに中国をはじめ、韓国なども積極的にアフリカに進出している事例が示され、「日本は出遅れている、ぐずぐずしている場合じゃない」という著者の焦りが全編に通底している。
とはいえ・・アフリカは遠いよなあ。
物理的に離れているというのは、やはり大きな障壁だと思う。
言葉の問題、さらにカントリーリスクも高そうだ。
チャンスがあるのはわかったが、積極的に進出する日本企業は少ないだろうな~という気がした。
ただ、本書は新たな知見に満ちていて、ビジネス系経済読み物として、非常に面白かった。
(497文字 急速に超高齢化社会が進む日本は、今は守りのターンで良いのではないかと個人的には思う次第。)