なんだか書店に散見される、いわゆる「嫌ワクチン本」を思わせるタイトルだが、実際はその真逆。
大阪大学免疫フロンティア研究センター招へい教授による、新型コロナワクチン推奨の本である。
ただ、著者はしばらく前まで、安全性を担保するデータが不十分という理由で、同ワクチンについて判断中止の立場をとっていた模様。
最近は信頼に足るデータが出そろい、本書でワクチンGOサインを示した形だ。
研究者が一般読者向けに、専門知識をかみ砕いて説明しており、文章は平易で読みやすい。イラスト解説も多数。
ただ、内容はそれなりにハイレベル。専門用語も用いられ(相当減らしたのだろうが)、情報量も多く、内容が濃い。
私のような素人には、結構ハードルが高かった(そのため、必要な個所だけじっくり読み、あとはさらっと流し読んだ)。
実は、私は本記事を書いている時点で、ワクチンは未接種。強いアレルギー体質ゆえの不安が理由の一つだ。本書ではアナフィラキシーのリスクも具体的に示していて、この部分は個人的に、非常に親切に感じた。
新型コロナとワクチンについて、一般的に流布する情報に物足らなさを感じているならば、本書をじっくり読むのは良いかも。
(500文字! 以前このブログで取り上げた、水谷哲也『新型コロナウイルス 脅威を制する正しい知識』に近い雰囲気の本だ。ただ、本書の方が新しい分、知識・情報がアップデートされている。)