未知の世界を覗き見るのも読書の楽しみ。
それがテキヤの世界となるも、なおさら。
典型的な「異世界本」だと期待して購入。
ただ、期待した割には内容は薄味であった。
内容的には、著者が経験したテキヤでのバイト経験(序章)と、取材した二人のベテランテキヤの半生記(第一章、第二章。いずれもインタビューで構成)がメインコンテンツ。
それぞれ、実際の経験譚なので、斯界の一面を活写しているとは思う。
とはいえ、いずれも属人的な視点ゆえ、テキヤ世界の全体像を映し出しているのかよくわからない。
個人的には、テキヤの世界の来歴や習俗、そして現状などについて知りたかったのだが、それらは最後の第三章(ページ数少ない・・)でちょろっと述べている程度。
その他、巻末付録的に「テキヤ用語一覧」が収録されているが、自分の興味の方向とは異なる。
サブタイトルの「祭りを担った文化、組織、習慣」が、なんとなく民俗学的な雰囲気を醸し出していて惹かれたが、ちょっと期待外れだったかな~
(418文字 インタビューはやや冗長感があり、巻末の用語集もふくめて、一冊の本に仕上げるために無理してコンテンツを増量した感がある。)
参考までに、テキヤバイトの経験談ということでいえば、たまたま読んだこちらのコミックエッセイのほうが真に迫って感じられた。