私は、著者の「森博嗣」さんという方のことを全く知らないが、帯キャッチコピー
> 誰も言わない「読み方」を教えよう
の一文に興味をもち、本書を購入した。
工学博士にして、元大学助教授。現人気SF作家というユニークなキャリアをお持ちの方とのこと。
その経歴からうかがい知れる通り、頭脳明晰にして発想力に優れ、またバイタリティに富む。しかし気難しい・・そんな人物であることが文章の端々からうかがい知れた。
「本」と絡めた著者の回顧録的な面が強く、その「キャラ」を知っていてこそ、一層楽しめるタイプの本と言えようか。半ば既存ファン向きの書籍という感がせぬでもない。
ただ、既存ファンではない私が読んでも面白かった。
「物事を根源的に考え、理論的に表現する」という著者の性格が全般に表れている。頭の良い人の思考経路を覗ける感があり、興味深い。
特に第4章『インプットとアウトプット』はその傾向が強烈で刺激的だ。「僕は言葉で考えない」「メモをしたから忘れるのだろう」「最終的には個人の頭の中がゴール」等の言葉が特に印象に残った。
そして、「読書感想文は無意味だ」とも。
・・一読者の、読後「記念行為」ということで、まあひとつ(笑)
(499文字!)