紛らわしいが「地政学」ではない。「地経学」だ。
あまりなじみのない学問名だが、本書では「地政学的な目的のために経済を武器として使うこと」と地経学を定義している。
ふーむ。つまりは大国間の経済を主戦場としたパワーゲームの研究・考察ってことかナ?
本書タイトルは「地経学」の入門書的な印象だが、実際にはさにあらず。様々なテーマを4~5ページでコンパクトに解説、それらを多数あつめて1冊としている。
一読した印象は「濃い」。
国際情勢を深掘りした説得力抜群の解説が濃い。
さらには、文章そのものがめっちゃ濃い。
読んでいて疲れるほどに。
特に各テーマまとめの一文が 特濃 だったりする。例を上げると
>歴史的に朝鮮半島が蒙ってきた「地政学の呪い」のとばりが再び、この地域を包み込み始めた
>内政の安定と外交の均衡をどろどろに溶かしてしまう恐ろしさを秘めている
などなど。
「まとめの一文」を楽しみに、各テーマを読み進めることができた。
さて、本書を読むと、国際情勢が違って見えてくる。
世界は権謀術数・魑魅魍魎にみちているんだ・・って風に。
それはそれで、偏った視点のような気がするけど。
(472文字! 面白いんだけど、この方向にはまっていくと、陰謀論や謀略論に行きつく気がする。)