500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

松岡真宏 山手剛人 著 『宅配がなくなる日 - 同時性解消の社会論 - 』(日本経済新聞社 2017年 6月6日 初刷)【書評】

宅配危機を主題とする本かと思い購入したが、アブソリュート期待外れ。本書のメインテーマは宅配ではなくサブタイトルの「同時性解消」である。

「同時性解消」というのは、「技術進歩により、コミュニケーションが互いの時間を束縛しなくても良くなった」という意味。電話しかない「同時性」の時代から、メール、SNSと「非同時性」のコミュニケーション化が加速。VR、AR、AIに言及した未来予測が語られる。

ただ、一般的に「未来予測論」はあてにならないし、内容的にもありきたり。

宅配に関して言及している部分もあり、自販機のシステムと同じく「商店の軒先などに宅配ボックスを設置してもらい、ボックス利用料の一部が置き場所を提供してくれた商店オーナーに還元される仕組みを作る」といったもの(およびその発展形)。このシステムが普及すれば、自宅近くにもできて便利でしょ」とおっしゃる。また、受取人が時間を合わせる必要=同時性の解消になり利便性が向上すると論じる。

う~ん。運送会社が夜間配送・再配達無料をやめない限り、利用者はごく限定的だろう。

宅配物流が話題になっているので、それに乗っかる戦略で出版された企画本と思われる。

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