おなじみインテリジェンスコンビによる「イスラエル戦争」対談論評。
広く知られている通り、佐藤氏はロシアやイスラエルとのパイプがあり、それが事情通としてのセールスポイントになっている。
同コンビによる前作『ウクライナ戦争の嘘』、そして本作と、タイムリーな知識を持ち、その解説には一定の説得力がある。
ただし、前回本ブログで取り上げたダニエル・ソカッチ氏の著作を読んだ後では、佐藤氏のイスラエルに関する見方は、あまりにも一面的過ぎるように思えるのも事実。
考えてみれば、純日本人の、個人レベルでの外国とのつながりなんて、ごく限定されたもの。佐藤氏は、外交官時代に知り合ったイスラエルの諜報機関の元大物とのつながりが、事情通としての知識の源泉になっている。しかし、それは特殊な情報元と言え、一般的・包括的な見方とは程遠いのではないか?
本書を読めば、イスラエルやパレスチナ、中東戦争に関する、気軽な「歴史の復習」にはなるが、イデオロギー関連の解説は「そういう見方もあるんだな」程度に考えたほうが良い気がする。
特定の国際問題について知る場合、当事国や民族的ネイティブの著作を読むことの重要性を、本書を読んで逆に感じた。
(500文字! ネイティブ系の著作のほうが「良書厳選」で翻訳されているだろうしね。)
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