500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

寺島 実郎 著 『中東・エネルギー・地政学 - 全体知への体験的接近 - 』(東洋経済新報社 2016年 9月8日 発行)

ブックデザインで損をしている本だ。

 

カバーに記された表題には各単語を区切る「・」がなく『中東エネルギー地政学』と読めてしまう。これだと石油をめぐる国際情勢を論じた専門書かと思ってしまう。

 

実際にはテーマを狭く絞った本ではない。むしろ逆で、戦後の時代に活躍してきた元商社マンである著者の、実体験・フィールドワークに基づいた、幅広い考察が述べられている。

 

内容はタイトルにある中東・エネルギー・地政学にはとどまらず、世界経済・歴史・宗教・軍事など多岐にわたる。もちろん、本書発行時の話題であったISや石油価格にも言及。

 

各分野を分けて捉えず、副題にあるように「全体知」として総合的に、そして問題解決へ向けて具体的に考えるのが本書の趣旨・志向といえようか。

 

商社マン時代の恐い体験や、ソロスなど政財界の大物との対面、国からの圧力との軋轢など、各エピソードも面白い。

 

そして、世界をまたにかけたビジネスエリートってのも大変、というのが良くわかる。会社員としての仕事とはいえ、冒険的な要素も強く、知性はもちろん、タフで度胸がなければ務まらないであろう。

 

 

・・私には到底無理な職業だわ。まあ、縁遠い世界を覗くのも読書の楽しみ。

 

(500文字! ~ 比べる意味もないのだが、内容薄っペラペラの我が人生と対比させてしまい、読んでると軽く凹む。そのため、ブランクを開けつつ読み進めた。)