500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

内田 樹 編 『日本減少社会の未来学』(文芸春秋 2018年4月30日 第1刷発行)

最近、人口減少がテーマの書籍を多く見かける。その多くは、悲観的な未来の社会予想であったり、少子化の防止策を訴える内容であったりする。

 

しかし本書は、それらとは一風異なる。

 

(編者の序文を入れると)11名の論客による人口減少社会論アンソロジーといったところだ。

 

そして、特徴的なのは、各々が全く異なる分野の専門家である点。

 

そのため従来の「人口減少本」とは全く異なる視点からの論が並ぶ。例えば・・

 

■生物学の視点より、太古からの人口の変遷を説き、「長期的にはだいたい何とかなるもんや」的な結論に至る。

■まるで企業の経営のように国の運営を語るべきではない。国民は養鶏場のニワトリではない、と言い切る。

 

など、挑戦的で、刺激的な論調の文も多い。

 

とはいえ、それらは感情に流されたものではなく、根本に理論があり、説得力もある。

 

もちろん、スタンダードに未来の経済を憂うる文や、悲観に走る文もあり、ある意味バランスが取れている。

 

ただ、(人口減少に多少絡めつつも)自らの研究や活動のアピールに一所懸命な著者もいたりして、内容は玉石混交。

 

まとまりの無さゆえ良書とは言い難いが、人口減少問題を多角的に認識できる面白い企画本だ。

 

(496文字! はっきり言ってカバーデザインはチープ。これ、明らかに手抜きだろうw)