最近流行の「AIであなたの仕事がなくなる」系の本。東大工学部~ボスコンの経歴を持つ著者が、AIと社会の未来を予想する。
まず自動運転実現により2025年前後に大量のドライバーが失業すると予見。ディープラーニングでブレークスルーを果たしたAIの進化はとどまるところを知らず、2035年頃には人間よりも賢くなり、頭脳労働の多くから人間は締め出されると主張する。
その解決法として本書が提示するのは「AI(及びAIを搭載したロボット)の利用券を国有化し、AIに給料を払う仕組みを作り、人の雇用とのバランスをとる」という政策。
「○年にはこうなる」という決めつけが多く、全体的にSFチック。未来予測の思考シミュレーションに、エンタメの味付けを施した本といえるかな(商業出版である以上、その手法はアリだ)
それほど優秀なAIやロボットが、人間と簡単に置き換えられるほど安価で市場に大量供給されるだろうか?それも10~20年内に。読むといろいろ疑問は湧く。
とはいえ、本書が訴える、AIが「破壊的イノベーション」になりうる点は認識すべきだと感じた。ITの発達により多くの職や会社が、あれよあれよという間に消滅したように。
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