この本は経済読みものといってよいのだろうか。
プロローグの章から、いきなりツッコミどころが現れる。
世界における日本のGDPのシェアは、最盛期の1995年の17.5%から、2016年には6.5%になったことを捉えて、日本は「ハゲタカ」の餌食になっているとの論が展開される。
おいおい、中国やインドその他だって、経済成長してるんやで。しかもキャッチアップ効果で後追いのほうが成長が早い。シェアの低下など、不思議でも何でもないだろう。
元々、著者が反「新自由主義」な人物ということは知っているし、日本は海外資本に甘すぎるという主張にも賛同できる部分はある。
また、経済について「そういう見方もあるか」と気付かされる主張もある。
しかし、話が途中で、妙に陰謀論的な方向にずれていく。
最初は、商業出版としての演出・味付けの類かと思っていたが、どうやらそうではなさそうだ。
最後はエピローグの章で、陰謀逆巻くクライマックスへと突き進んでいく(ネタばれになるので、ここで詳細は紹介しない)。
おそらく、生来、陰謀論的な見方が好きな人なんだろうね。
最後のエピローグ、信じるかどうかはアナタ次第・・てところかな。
(490文字。 たまには、こういう予想外な本との出会いがあってもいいよね。)