帯の惹句「スティーブ・ジョブスはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?」「最新研究が示す恐るべき真実」が目に留まり、つい購入。
内容的には、スウェーデンの著名な精神科医が、スマホが人に与える悪影響を、研究結果を交えながら指摘するものとなっている。
要点はおおむね以下の通り。
・スマホは便利だし、常に新たな情報を届けてくれる。ヒマつぶしに最適なので、手放せなくなる
・SNSは自己承認欲求を刺激するように巧みに設計されており、つい気になって見てしまう
・上記の理由から、人によっては依存症のような状態になってしまう
・インスタントに物事をしらべられるので、集中力や記憶力が減退する
・特に、人格形成においてリアル体験が重要な幼児期には、害が大きい
・夜もスマホ画面を眺めていると、神経が刺激され、熟睡を妨げる
などなど。
多面的な考察と、そこから導かれる結論は一定の説得力がある。
しかしながら、スマホが普及して早や十数年。
本書で晒されたスマホのデメリットは、すでに経験的に知らているものであり、すでに多くの言説がなされている。
そのため、あまり新味がない。
肩透かしな読後感が残った。
(499文字。 さらに言えば、本書を手に取る人は、そもそもスマホ依存になりにくいタイプの層ではなかろうか。著者がメッセージを届けたい人には、届かない・・)