未知の世界を覗くことができるのも、読書の楽しみの一つだ。
本書は現役のプロミュージシャンとして活動しながら、同時に行政書士でもある著者が、ミュージシャンのために「副業」の見つけ方、「補助金・助成金」「融資」の活用法を指南するという珍しい書籍だ。
本書によれば、やはり音楽の仕事というのは、食べていくのが難しいという。
著者のバンド「LITE」は、ワールドツアーを行うほど一定の知名度はあるらしいが、それでもバンド一本では生計を立てるには至らないという。
若手の頃は、時間の融通が効きやすいテレアポのバイトで生活費を稼ぎながら、バンド活動をしていたとのこと。その頃の収入の内訳も「バイト15万+バンド5万」と具体的に記述している。
年齢を重ねるにつれ行き詰まりを感じた著者は、一念発起して行政書士の資格をゲット、その後理解ある仲間にも恵まれ、独立開業にまで至る。
さらには不動産投資にも手を伸ばし、賃貸物件で所得を得ているという。
このあたりの副業サクセスストーリーが、読んでいて面白い。
やはり成功する人は、実現可能な目標を選定する力と、実行力に優れていることが良くわかる。
本書の本来の目的とは別の角度から楽しめた。
(500文字! 音楽方面で使える「補助金・助成金」の種類の多さに驚いた。ゲットできるミュージシャンは限られるのだろうけど。)