この著者の本を読むのは始めて。
著者が経済関連の書籍を多くものしている、有名大学の教授ということは知っていた。
しかし、一時やたら仮想通貨を過大評価していたり、その後も生成AIだのリモートワークだの、時々の話題に食いつく多作ぶりが「売らんかな」主義に思え、これまで敬遠していた。
そして、本書はこれまた最近流行テーマの「日本没落」もの。新刊で買う気にならず、たまたまブックオフで見かけた際に購入。
読んでみると、内容は意外とまともで、新たな知識や気づきを得ることができた。
論調は、大前研一あたりに似ている。
これまでの成功体験に縛られた日本は、GAFAMに代表されるIT産業の波に乗れず。会社や社会構造も旧態依然としており、このままでは世界に取り残される・・という内容。
ただ、過去にとらわれているのは、著者のほうじゃないの?という気がするのも事実。
いつまで全盛期の日本を懐かしがっているんだよ、と思う。
かつて途上国と言われた国々だって奮闘しているわけで、いつまでも日本が「アジア唯一の先進国」であることのほうが不自然に思える。
そもそも、全盛期の日本経済が、外的要因に恵まれた幸運の要素が強いと、個人的には思う。
(500文字 経済に関する解説はわかりやすく、主張に共感するかはともかく、面白く読めた。)
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