500字でまとめよ!

最近読んだ本を500文字以内にざっくり、バッサリまとめてみました。

池上 彰 佐藤 優 『真説 日本左翼史』(講談社現代新書 2021年6月20日 第1刷発行)

「左翼」には謎が多い。

 

自分の漠然とした認識だと、左翼=社会・共産主義マルクス。つまり政治・経済上の主義というイメージだ。

 

しかし、そうだとすると、世の社会主義国がほぼ崩壊した現在、左翼は意味を失ったのでは?

 

加えて、最近「左翼はリベラルと名を変え・・」という論調も目にする。え?そうなの?? よくわからん。

 

さらに近年では、ネトウヨ勢が、自分の気に入らない主張をなんでも「左翼」「左派」ときめつけるので余計に混乱。

 

そんな左翼を取り巻く混沌に真っ向から取り組んだのが本書。近代日本の政治思想史を振り返り、社会党(現社民党)・共産党の成立ちと盛衰を解説、そのことを通して「左翼」を明確に定義づけようという試みる。

 

主要人物、エピソードを、時系列にそって、小気味よく簡潔に解説してくれる。

 

さらには、部外者には謎の多い左翼の理論を平易に解説。その中で、左翼とリベラルはむしろ対立概念ということも語られる。

 

このあたりの捉え方には、おそらく異論もあろうが、私には読んで腑に落ちる部分が多かった。

 

さらに左翼といえば、学生運動→過激化、というイメージも強いが、そちらは、なんと続巻で詳しく語られるらしい。今から楽しみ。

 

(498文字! 社会主義が勢力を持った時代をリアルタイムで知らないので、逆に興味がわく。「資本論」という本に書かれた思想を原点として、過激化し、革命を目指し、国まで作ってしまうというのがよくわからん。そのエネルギーの出所はなんなのだろう。時代背景の影響は本書でも語られるが、それにしても、ねえ。)

 

 

 

▼ 同様の興味から、こんな本を読んだこともある。タイトル・装丁はまじめな本のフリをしているが、実は暗部ほじくり暴露本の面もあり、面白い。

 

▼ さらに怖いもの見たさで、こんな本も読んだ。過激派どうしの血で血を洗う抗争が妙にユーモラスに語られる。