超高給企業として有名なキーエンス。
投資界隈では、その営業利益率の高さが注目を集める。
その突出した高収益の秘訣を追求したのが本書・・と言いたいところだが、内容が薄味な感が否めない。
本書では、営業面(人材育成、情報共有、評価基準)、顧客対応面(注文品の翌日発送、きめ細かなフォロー)を中心に、キーエンスのメソッドを解説する。
それら社内の仕組みの整備と維持にこだわり、惜しみなくリソースを割く。そして常に改善し、ハイレベルに追及している。
うむ、そこは分かった。
ただ、それだけであれば、同様の努力行う企業は他にも存在するであろう。
ゆえに、本書の内容が、超高収益の秘訣に迫れているとまでは言えないように思えた。
キーエンスはハイテク企業ゆえ、当然ながら技術こそが高収益の源泉ではなかろうか。
取材に制約があるかもしれないが、そういった面をもう少し掘り下げてほしかった。
もっとも、本書は企業の公式本・宣伝本の類ではなく、外部の取材者が書いたもの。核心に踏み込めないのは致し方ない面もある。手持ちの情報で仕上げた一冊なのかも知れない。
エピソード紹介が主体で文章平易、あっさり読めるが、モヤッとした読後感だけが残った。
(499文字 ぶっとい帯に踊る派手な惹句は期待を煽るんだけどね~)