私は健康面に難があり、複数のかかりつけ医にお世話になっている。
しかし、考えてみれば、開業医、クリニックという業態には謎が多い。
医学部を卒業し、医師になった人は、どのような経緯を経て自身の医院を持つものだろうか。
クリニックは、いわば小企業に近い存在だ。
院長として診断を行いながら、いきなり畑違いの「企業経営」をしなければならない。
経営に先立ち、資金も必要だろう。スタッフもそろえ、また集客(患者)にも尽力せねばならぬはず。
クリニックの開業は、なかなかにハードであることは想像がつく。
しかし、飲食店等のように、開業したが集客がうまくいかず、早期撤退・・ということはクリニックには少ないように思う。
その答えが本書には冒頭に書かれている。
開業を支援するコンサルタント企業があるそうだ。
開業にあたっての自己資金額や、スタッフ募集の実体験など、興味深いエピソードが次々と出てくる。
その他、医師のキャリア形成方法や、年収などの業界事情もつまびらかに。
さらに、名前は知っているが詳細は良く知らない「セカンドオピニオン」に関する解説などの役立ち情報も。
医療業界の仕組みを、一般人にわかりやすい視点で解説してくれる良書。
(500文字! 「医学部=金持ちでないと学費が払えない」というのは、あくまで私立大のもの。国立大と私立大の医学部の学費格差に驚く。)
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